FCCLは2019年11月に、神奈川県武蔵中原の富士通川崎工場の中にあったオフィスから、現在の新川崎オフィスに移転しました。
移転にあたりオフィスのデザインを、FMVシリーズPCのデザインを担当するチーフデザインプロデューサー藤田 博之氏が担当しました。オフィスの環境を整えるだけではなく、将来の開発設計に活かせるよう、コンピューティングの在り方を世の中に発信するためのリアルな「実験場」というコンセプトにしました。
コンピューティングやAIを活用し、そこからFCCLの新たな価値を創造したい。新たなことにチャレンジする姿勢は、その取り組みに興味を持った若い人材や、優秀な人材を獲得することにもつながっていくと考え、以下をテーマにはたらく環境をデザインしました。
Experiment 01
開発部門も含めてすべてフリーアドレスとし、デスクの上には31型曲面ディスプレイ及び、27型平面ディスプレイを配置しています。
特に開発部門では導入が難しいと考えられていたフリーアドレス制ですが、いち早く実践し、社員に浸透させたのが開発部門でした。毎朝出勤したらロッカーから荷物を出し、作業を終え帰宅するときは片づける習慣づけをすることで、昨日の続きの作業ではなく、一日一日をリセットするようになる。それにより、脳が整理されたり、クリアデスクを意識したりと、結果的に業務効率の向上や快適なオフィス環境の実現につながると考えています。
Experiment 02
Tech Pitは、社員用のサポート部門で、支給PCのトラブルや、操作方法のレクチャーなどを担っています。テレワークが推奨となってからはオンラインによるサポートも行っています。
社員の利用の仕方は一般企業のお客様と大差がありません。Tech Pitでは、社員を1ユーザとしてPCトラブルが発生した自社PCの稼働時間やバッテリの状態などを細かく分析、データを蓄積し検証を行っています。この分析結果をもとに、製品開発に活かしていく考えです。また、トラブルが発生してからの迅速なサポート体制の組織づくりについても貴重なデータとなります。
Tech Pitでは、FCCLが開発した教育向けエッジコンピュータの「MIB(Men in Box)」を設置し、エッジコンピュータを活用した情報配信を行っています。
Experiment 03
コンピューティングの在り方としてビジネスを行い、世の中に提案をする立場にあるFCCLでは、新型コロナ禍以前の2019年2月からフリーアドレス制の導入とともに、テレワーク制度も積極的に本格化させました。
開発部門については専用設備が必要なため、バイク通勤や自転車通勤、社員の健康や安全に配慮しながら業務を行える体制を整えました。
社員の多くが利用している支給PCは、軽量モバイルノートPC「U」シリーズです。外出先やテレワークでも利用しやすいようにバランスが取れたPCとして会社で推奨しています。さらに、FCCLの電子ペーパー「QUADERNO(クアデルノ)」は印刷が不要で、まるでノートに鉛筆でメモをしているような滑らかな書き心地で、ドキュメントに手書きが行え、手書きのスケジュール帳、PDFビューワー機能も搭載している為、ペーパーレス化とテレワークでの業務効率化に貢献しています。
Experiment 04
各階のオフィスは、パーテーションを一切なくしたワンフロア設計で、おしゃれな木目調のデスクやカーペットを敷いたりといった工夫をし、社員が快適で円滑なコミュニケーションがとれるように工夫しています。また、オフィスの中央に高めの大きな机を配置し、すぐにミーティングや簡単な打ち合わせが行えるようにしました。また、ファミレス風のボックスシートや、集中ボックスなどを配置し、利用シーンにあわせて、業務の効率化と快適な環境を整えています。
31階の受付エリアの個室会議室では、カーペットやデザインもそれぞれ異なったものにしています。また、廊下に面する部分は半透明のガラスにして、外からは会議を行っていることはわかりますが、室内の様子はわからないように工夫しています。会議室の名前はゲストに楽しんでもらうためにキャラクターの名前をつけています。ゲストが自由に使えるWi-Fiも完備しています。
受付共有スペースに設置した展示エリアでは、店頭での実際の販売を想定し、最適な展示方法の検証や、カタログ資料の置き方、展示台の色や高さなどを検証する実験場としています。
Experiment 05
神奈川県川崎市にある国内開発拠点のR&Dセンターは、かつて、富士通のPC事業があった富士通川崎工場内から2019年9月に移設し独自の研究開発拠点を開設しました。センター開設にあたり、お客様に寄り添った製品を開発するために、単なる実験開発施設にはせず、エンジニアが求める働きやすい環境を目指しました。
FCCLの心臓部といえる開発拠点のR&Dセンターは、各分野の「スペシャリスト」が集うコミュニティの場であり、企画、開発から品質管理までワンストップでスピーディーに行えることが強みとなっています。